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第六話 神父は途端に、身を翻し奥へと戻っていった。 「あ・・・あの・・・」 ところが思ったより早く、神父は再び姿を現した。外套をはおり、手には懐中電灯を握っている。 「あなたは新聞記者か何かですか?」 神父は私の身体を追い越し、あわただしく靴を履き、表に出ようとしていた。容易ならざる事態が起きていることは、私にも感じられた。 「ルポライターです。」 ごまかすつもりだったが、そんな空気ではない。 神父は表に出る前に一度振り返った。 「マスコミに話すことはありません・・・、と言いたいのですが、手伝ってください。もしかすると・・・。」 私の返答を待たず、神父は表へ飛び出した。神父は車のところまで行き、ライトを照らす。 すぐに私も追いつき、ライトに照らされた車内をのぞいた。 「あれ? 運転席に 封筒が・・・ ! 『遺書』!?」 神父は私の顔を見た後、車のドアを開けようと試みた。 ロックされてはいない。神父は遺書を取り出した。 「あなたはここの し、神父様・・・ですよね? あ、あの夫婦がここを出られたのはいつ頃なんですか?」 遺書に封はしていなかった。私は肩越しに、ライトで照らされた遺書の一部を読んだ。 細かいことは書いていなかった。 「○○様(神父の名?)」に最後まで迷惑をかけたこと、愛する愛娘を失った事への絶望、加害者とその祖父への恨みが書かれていた。 そして、 「・・・主のお教えに背くかもしれません、 ですが私達夫婦にはこれしか道はございません、 愛する娘の苦痛を少しでも和らげるために、 私達の命と恨みの情念を・・・ あの人形・メリーの糧として奉げようと思います・・・ どうか・・・」 内容を把握できたのはそこまでだった。神父は書面を封に戻し、こちらを振り返った。 「一時間前です・・・。」 神父は近所の扉を叩き、私は警察に連絡をとった。 その間、遺書に書いてあった部分が、私の頭からどうしても離れない・・・。 人形・・・メリー メリーさん・・・? 近隣住民総出での捜索の結果、・・・彼らの行方の手がかりが見つかった。 ⇒
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第2部 第7話ー2 ルルェド西門付近 2013年 2月15日 01時39分 「突っ込めェ! 命を惜しむな!」 必死の号令に呼応して、ルルェド家臣団で編成される城兵たちが城門に突撃する。門の周辺からすぐに矢が放たれ、数名の城兵が倒れた。兵たちは慌てて円楯をかざす。矢から身を守ることには成功したが、代わりに足を止められてしまった。 ルルェド西門守備隊長コーバスは、その様子を見て足の震えを抑えることが出来なくなった。間に合わぬ。このままでは。 何処からともなく現れた恐ろしく手練れの〈帝國〉兵によって、すでに西門は奪われていた。門に立て篭もった〈帝國〉兵は、からくりを操作し鋼鉄製の鎧戸を開こうとしている。 門が開かれれば、外には数千の〈帝國〉兵。ひとたまりもない。わかりきったことだった。コーバスは混乱の中で30名程の予備隊を無理やり捻出すると、西門の奪還に向かった。ここを取り返さねば、西壁は──いや、ルルェドは陥落する。 「ルルェド家臣団前へッ! 今こそ名を上げる時ぞ! 門を開けさせるな!」 「だ、駄目だ。隊長、顔を上げられねぇ」 城兵をあざ笑うかのように、鋭い鏃を備えた矢が確実に円楯や鎧の隙間を射抜いていく。兵たちの士気は徐々に砕かれ、鎧戸は不気味に軋みを上げる。僅かずつだが、引き上げられ始めているのだ。 終わるのか。俺もティカ様も、このルルェドと共に滅ぶのか……。 コーバスの全身は無力感に包まれていた。腹に力が入らない。目の前に滝があるのに、自分の乗る小舟には櫂の一本も無い。俺では止められない。 その思いを必死に隠し、コーバスは声を張り上げ続けた。疲れ切った城兵は幾度となく前進を試みるが、どう足掻いても城門の奪還は間に合いそうに無かった。 一方、〈帝國〉軍選抜猟兵隊はあと少しでその任務を完遂しようとしていた。 後背地からの奇襲を受けたことで混乱した守備隊の隙を突き、選抜猟兵隊は20名程度を城門に突入させることに成功した。目的はただ一つ──城門の開放だ。 蛮声を上げて城兵の横隊が迫る。鍛え上げられた猟兵たちは、下知を受けずとも短弓を放ち敵を削る。怒号にも似た号令。敵の指揮官はいよいよもって追い詰められているらしい。西門に続く水路脇の石畳の上を敵兵が進んでくる。 矢の刺さる鈍い音と共に猟兵が崩れ落ちた。敵の射撃が門周辺に集中しているのだ。 「傍から見れば、あとが無いのは我らだな」 選抜猟兵を率いるアズレトは、皮肉な笑いを口元に浮かべた。重い鎧戸を引き上げるために配下の半数を門内に送っているため、敵を防ぐ兵は8名しかいない。 部下は鎧戸の操作にてこずっているようだ。彼の隊は非力なコボルトと身の軽いものを優先した人族兵ばかりなのだ。アズレトは、いつもは毛嫌いしているオーク兵がこの時ばかりは配下にいてくれたら、と思った。 ルルェド城兵がようやく〈帝國〉兵に接触した。水路の脇で激しく斬り結ぶ。 「く、こやつら手練れぞ!」 手槍を繰り出した城兵が敵の湾曲刀に穂先を切り落とされ、槍を引く間もなく首筋を斬られた。兵は悲鳴をあげ水路に落下する。後続も手首を傷つけられ堪らず後退する。 あのような芸当をこなす兵だ。只者ではないのだろう。 だが、コーバスには力押し以外の手段をとる時間は無かった。声を嗄らして兵を鼓舞する。敵は小勢だ。押し切れ。鎧戸を取り戻せば──まだ! 「死ねや!」 彼は身体ごと〈帝國〉兵にぶつかると、長剣を突き込んだ。コボルト兵の腹を割く。はらわたが湯気を上げて石畳に落ちる。その後方にいる者は指揮官らしい。殺す。奴を殺すのだ。 首を狙ったコーバスの一撃を〈帝國〉兵は湾曲刀の峰で逸らした。刃の擦れるけたたましい音が鳴り響き、火花が散った。コーバスは膂力の限り長剣を振るう。小細工はいらなかった。 鈍い音と柔らかい手ごたえ。コーバスの長剣は〈帝國〉兵の胴体に深々と刺さっていた。 「敵将を討ち取った! 皆、門を取り返すのだ!」 だが〈帝國〉兵は倒れなかった。その男が己の身体に突き立ったコーバスの長剣を両手で握ると、押せど引けど巌のように動かない。コーバスは〈帝國〉兵の顔を見た。 アズレトは嗤った。 熱い塊が喉奥からこみ上げてくるのがわかる。我はもはや長くは持つまい。だが──勝ったぞ。 「今一歩、遅、かった、な……」 アズレトは辛うじてそう言うと、敵兵に向けて血反吐を吹き付けた。熱い塊を吐くたびに、身体が冷えていくのがわかる。だが、気分は良かった。 我らの勝ちだ。この城は落ちた。 薄れ行く意識の中、アズレトは背後で持ち上がる鎧戸の、軋んだ音を聞いた。 徴用兵団 ルルェド城塞西門前 同時刻 「隊長、門が!」 それまで泣き言ばかりだった部下が、突然明るい声を上げた。約800名の徴用兵を率いるロンバスは、粗末な小舟の上で身体をひねり、城門の方向を見やった。今まで、固く閉ざされていた鎧戸がゆっくりと引き上げられている。 「ひ、開いた。門が開いたぞ」 ロンバスは呆然と呟いた。先鋒という名の下で、ひたすらに人命を浪費させられ続けていた徴用兵団の目の前で、攻撃を跳ね返し続けていた城門が開かれようとしていた。 おお、確か事前の話では──。 彼が参謀魔導士に告げられた合図を思い出そうとしたその時、城壁から赤色の光弾が立て続けに3発、夜空に向けて放たれた。彼はようやく確信した。敵城に侵入した味方が、城門を奪ったのだ。 歓喜が心に満ちた。〈帝國〉に降伏した故郷を救うため徴用兵として我が身を差し出した仲間たち。碌な鎧も武器も持たず、城塞に血と臓物をぶちまけるだけの虫けらのようだった自分たちの前に、道が拓かれたのだ。征くぞ。我らの手で手柄を立て、見返してやろう。 ロンバスは雄雄しく立ち上がると、周囲の部下たちに命令を発した。 「皆、良く聞け! 見よ──見たか? 城門だ! 我らの進むべき場所だ。あの中に我らの未来があるぞ!」 ロンバスは周囲を見回した。配下の徴用兵に戦意が沸き起こるのを感じる。そうだ。勝てるのだ。 「よぉし、かかれェ!」 効果は劇的だった。小舟の上で城壁からの矢に射すくめられるだけだった男たちが、いきり立っている。降り注ぐ矢をものともせず、櫂をとり舟を漕ぎ始めた。配下の兵たちが一斉に開かれた城門へと殺到し始めたのだった。 城壁からの防御射撃は当然門周辺に集中した。ライトニングボルトが直撃し、舟が転覆する。水面に投げ出された兵が矢を受けて沈んでいく。楯すらまともなものを持たない徴用兵に被害が続出した。 だが、全てを押しとどめるほどではなかった。少なくない兵を失いながら、徴用兵団を満載した小舟は、群れを成して西門に殺到した。 うむ、いいぞ。我らが一番槍だ。敵将をこの手で討ち取って、身を立てるのだ。ロンバスは高揚感に全身を包まれていた。事前の打ち合わせでは、城門を確保した後は後続するオーク重装歩兵団に道を譲る手はずとなっていたが、守る気などさらさら無かった。 事前の手筈を無視した徴用兵隊長の命令に引きずられる様に、〈帝國〉軍ジャボール兵団は徴用兵を先頭としてルルェド城内に突入を開始した。 戦神〈ドゥクス〉神殿 ルルェド城内 2013年 2月15日 01時44分 戦神ドゥクスに仕える敬虔なる信徒ホーポーは、長い手足をしなやかに躍動させ、先端に半月刃の付いた宝杖をぐるりと旋回させた。戦神に祝福された得物である宝杖が鋭利な刃を煌かせた。行く手を塞いでいた〈帝國〉兵の首が纏めて吹き飛ぶ。 〈帝國〉兵に動揺が走る。それを見逃すホーポーではなかった。 「血路を拓くぞ。各々精進せよ!」 「応!」 厳しい鍛錬で養った筋骨隆々とした体躯を躍らせながら、ドゥクス神官戦士団が敵勢に踊りこんだ。チェインメイルを着込みその上に裾の長い法衣を着込んだ神官たちは、メイスやモーニングスター、ハルバードで武装している。 彼らは体格に似合わない素早さで通路に展開したコボルト兵たちをあっという間に殴殺した。 戦いと勇気を尊ぶ神官たちは、皆熟練の戦士である。戦場にて己の信念に基づき戦いに臨む者たちに加護を与え、身をもって之を助けることを修行と定めている。また、卑怯な振る舞いは禁忌である。 「うむ、拙僧も参ろうか。ティカ殿はあとに続かれるがよかろう」 「は、はい」 「カーナ殿のことは案ずるな。本営で手当ても出来よう。いまはここを切り抜ける」 ホーポーはそう言うと、一際長い裾を翻し、敵に突っ込んでいった。首から提げた宝具がしゃらりと澄んだ音を鳴らす。 髭面で巨漢揃いの神官戦士たちの中でホーポーは背丈こそ並び立っていたが、華奢に思えるほど細身であった。つるりとそり上げた頭はまるで茹でた卵のようだ。 しかし、その実力は見た目ほど優しくはない。彼が宝杖を振るう度に〈帝国〉兵の腕や頭が宙を舞う。嵐のようなその戦いぶりは、遭遇した〈帝國〉兵にとっては災厄そのものであった。 神殿に駆けつけてきた神官戦士の一団は、恐るべき戦闘力をもって、選抜猟兵に襲い掛かっていた。 化け物め。神殿内の掃討を指揮していた選抜猟兵隊小隊長ウトキンは、素早く後ずさりながら思った。避け損ねた部下が纏めて血煙に変わる。彼は、最も重要な目標を取り逃がしたことを理解した。 珠は敵の懐に戻ってしまった。俺の小隊如きではドゥクスの糞坊主どもに対抗できぬ。山岳戦や後方攪乱に特化した選抜猟兵は、重装備の敵部隊との正面戦闘には不向きである。武器は片手の湾曲刀や手槍、短弓がせいぜいで、鎧も簡単なものだ。 全身をチェインメイルで覆い、多種多様な長柄武器を振るう神官戦士と正面から戦えばあっさりと敗北してしまう。そう、今目の前で起きている戦いのように。 「下がれ。一旦態勢を立て直す。間もなく門は落ちようぞ」 ウトキンは部下を下げた。神官たちは距離をとったウトキンたちを無視し、本営に繋がる回廊へと駆けて行く。まあいい。神殿を制圧し、敵の後方を掻き回しただけでも上出来だ。 確かにその通りであった。ウトキンの選抜猟兵に対処するために守備隊は貴重な予備兵力を拘束されていた。このあとルルェド守備隊は神殿の奪還に成功するかもしれない。だが、その時には城外の〈帝國〉軍が城壁を突破しているはずだった。 そうなれば、何の意味も無い。 最後に勝つのは俺たちだ。あの糞坊主どもは、取り逃がした小僧と小娘と一緒にあとで殺してくれる。 2月15日02時07分。ドゥクス神殿は〈帝國〉軍が制圧。ルルェド領主ティカと家臣カーナ・ハヌマを救出したドゥクス神官戦士団は、回廊を渡り本営に撤退した。 ルルェド南方約120キロ マワーレド川上空 2013年 2月15日 02時20分 月明かりの蒼い光が、マワーレド川を照らしている。風は無い。川面はのっぺりとしていてまるで鏡のようだ。密林の奥では夜行性の獣たちが騒がしく動いている。その鳴き声は祭囃子にも似て、うっそうとした森を賑やかに彩っていた。 その鳴き声が突然止んだ。 猿が首を伸ばし周囲を窺う。小さな生き物たちは息を潜め、雌への求愛に余念の無かった鳥たちも、羽を畳んだ。川面に顔を出していた獰猛な鰐ですら、静かに水中に沈んだ。全ての生き物たちは南を見ている。 羽音。それも複数の羽音が、微かに聞こえたかと思うと、あっという間に辺りを圧するまでになった。密林の生き物たちは聞いたことの無い音に怯えた。正確にはその音を発している何かに。 『ワイバーンリーダー、こちらオメガ01。ビーコンを確認、ポイントC通過。針路015。送レ』 『ワイバーンリーダー了解』 陸上自衛隊第1ヘリコプター団と第3対戦車ヘリコプター隊の混成部隊は、高度150フィートの低空を這うように飛行していた。先頭を行くのは2機のOH-1改観測ヘリだ。 2基のTS1-10ターボシャフトエンジンによって与えられた軽快な運動性能と複合センサーによる索敵能力を生かし、編隊の露払いを務めている。 タンデム方式に配置されたコックピット内では、センサーマンが戦術支援システムのコンソールを操作している。編隊の飛行を支援するため先行した特別挺身班が設置したビーコンが、部隊が正しい経路を飛行していることを示していた。 その後方に続く4機のAH-64D対戦車ヘリコプターの編隊は、先行するOH-1改からデータリンクを介し周辺の地形データを受信、複数のセンサーを作動させ何者も後続する輸送ヘリ隊に近付けさせない構えだ。 機体主要部に23ミリ機関砲に抗堪可能なセラミック装甲を纏った姿は、王の車列を護る重騎兵の姿に似ていた。 「あと、30分ってとこか。なぁ正木!」 「はっ、15キロ手前で地形追随飛行(NOE)に移行。その後は地上からの誘導に従い、降着地点へ進入する予定です!」 UHー60J輸送ヘリコプターのキャビンを満たす騒音に負けぬよう声を張り上げた第1普通科大隊長、里見太郎さとみ・たろう二等陸佐の問いかけに、大隊幕僚の正木時雄まさき・ときお一等陸尉が答えた。 里見の率いる第1空挺団第1普通科大隊は、二個増強中隊が8機のCHー47JAと4機のUHー60Jに分乗し、ブンガ・マス・リマ北方200キロで〈帝國〉軍包囲下のルルェド救援に向かっている。 陸自唯一にして最『狂』の空挺部隊であるとされ、様々な逸話で彩られた第1空挺団だが、里見たち空挺隊員は『そもそも俺たちの任務が狂ってるんだよ』と涼しい顔である。 彼らは、その任務性質上孤立した状態で優勢な敵部隊と交戦する可能性が高く(精鋭とはいえ彼らはいわゆる軽歩兵でしかない)、任務完遂に必要な能力と精神力を養っていたらこうなった、というわけなのだ。 陸上自衛隊内に、その能力を疑う者は存在しない。開隊以来厳しい訓練を重ねてきた第1空挺団は、昨年発生した南スーダンでの内乱に派遣されている。 孤立した施設科部隊が立てこもる国連難民キャンプ周辺に空挺降下した彼らは、中国製96式戦車十数両を擁するスーダン陸軍戦車大隊を中心とした一個旅団規模の攻撃に対し頑強に抵抗、米軍到着までの間これを死守したのだ。 ちなみにこの『ジュバ・ポケット』を戦い抜いたのは当時即応態勢にあった第2・第3普通科大隊であり、第1普通科大隊長である里見は大いに悔しがったという。 現在その二個大隊は部隊再建途上にあり、今回の『サンダー』作戦には第1大隊の出番が回ってきたというわけだ。当然、里見以下隊員の士気は旺盛である。 機上クルーが里見の肩を叩いた。ヘッドセットが差し出される。里見はおう、と頷くと鉄帽を脱ぎヘッドセットを被った。雑音に混じって、女性の声がした。 『ナラシノ、こちらクレ。感度いかが?』 「こちらナラシノ。よう聞こえる。送レ」 声の主は第1河川舟艇隊司令、西園寺三佐だった。漫画みたいに派手なネェちゃんだったな。里見はやたらとゴージャスな西園寺の外見を思い出した。 『問題が発生。0200時の報告によれば、ルルェド西門が突破された。〈帝國〉軍は城内に侵入を開始』 「そりゃ、大事だ」 城門を突破されたということは、手遅れになる確率が跳ね上がったことを示している。それほどまでに彼我の戦力差は絶望的なのだ。 『このままではいくらも持たないわ。ということでプランBよ。そちらには大変申し訳ないのだけれど、先に始めさせていただくわ』 「そいつはずるいな。だが仕方あるまい。こっちも急ぐ」 『あたくしたちで渡河中の敵を叩く。これで、城内の敵を局限できるはずよ。それから、慌てて駆けつけたからって、くれぐれも敵と間違えないでちょうだいね』 「了解した。ナラシノ終ワリ」 ねぇちゃん、よほど余裕が無いらしいな。里見はヘッドセットを外しながら思った。西園寺三佐は、いつもならそれなりに通信規律を守るのだが、今日に限っては素が出ている。彼は正木一尉に視線を送り、大声で言った。 「俺たちは地獄の釜に降りる羽目になりそうだ。全員の褌をしっかり締めさせろ!」 「乱戦に備え、航空支援の手順を確認させます! 海自部隊の識別手順を含めて!」 「おう、頼むぞ!」 事前計画ではAH-64Dによる地上掃討ののち部隊を降下させる予定だが、敵味方の混淆が発生している場合厄介な状況になりそうだった。友軍相撃は絶対に避けねばならない。 絶体絶命の友軍。夜間戦闘。そして初陣。情勢は悪化の一方だった。だが、そんな状況下でも里見の戦意に翳りは無い。部隊にも不安は無い。そのつもりで今まで鍛えてきたのだ。自然と口元が緩むのがわかった。 「おい、正木!」 「はい!」 「ところで、プランBって何だ?」 「……知りませんよそんなの」 もちろん冗談である。黎明時の同時奇襲攻撃が実施不可能な場合、第1河川舟艇隊または第1空挺団側の判断により強襲作戦に切り替える代案計画は用意されている。 『サンダー』作戦参加部隊は、刻々と悪化する情勢に対応し作戦を奇襲から強襲に切り替えた。 複数のローターブレードが巻き起こす猛烈な旋風と轟音を響かせながら、ヘリコプターの群れは北へと飛び去っていった。 あとには静寂が残された。唯一、河畔に設けられた〈帝國〉軍監視哨の魔導士が、必死に精神を集中し本隊への報告を行っていた。
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第一章 第二章 第三章 第四章 第一章 『正統王国』 ドリアン 『資本企業』、『ヤナギカゲ重工』 ホミノイド アティプス/デスストーカー/サラマンダー 『信心組織』、『ミレニアム・アウターヘブン』 ブリュンヒルデ 第二章 『情報同盟』 ファン949 レインボウ793 『信心組織』 ヘイロウ 『島国』 おりづる 『北欧禁猟区平和的開発事業協力会議』 ふわふわしゃぼん 第三章 『資本企業』 HBT-047ρ パニッシャー HMT-014ρ インセクトウォーカー 第四章 『アイアンブリード』 ビッグシェル
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仏教 菩薩 (1)菩薩とは、サンスクリット語のボーディサットヴァを漢語で音写した語で、『菩提薩埵』を簡略化した語であり、本来は出家する前の釈迦(語の由来として、釈迦の名であるゴーダマ・シッタールダを、梵語で反対から読んだ形から来ている)を表していたが、現在では如来になる前の段階にいる者を示す。しかし、密教では如来が悟るために修業する姿を、まだ悟りを体感していたない者のために見せているとされる。 これら菩薩は、『菩薩形』と呼ばれる、金・銀・玉などの装飾品で着飾った姿をしているのは、元は出家する前の釈迦が、シャカ族の王子であったことから、その姿が繁栄したとされている。唯一の例外が中国・日本などでみられる『比丘形』とよばれる姿をした地蔵菩薩である。 参考 新紀元社 密教曼陀羅
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1 与阿雷斯他们再次展开新的旅途的米娅,她有一个企图。 终究只是想,稍微有点小企图的程度。也就是说,再稍微的,让阿雷斯对自己的兴趣更大一点。 理由很简单,因为现在米娅自己对阿雷斯抱着非常强烈的兴趣。可是阿雷斯却对自己没有一点兴趣的样子,这使得米娅觉得相当的不公平。 当然,这次旅途的最大目的终究也只是观察正在向西北方向撤退的米雷斯丁军的动向,米娅也没有打算要做一些影响到这个目的的事情。 可是,不知道苍神是做了什么样的安排,现在米娅正好遇到了一个可以达成她的企图的最好的机会。 这是在离开贝鲁塞鲁军阵地两天后的中午左右的时候。 米娅他们已经发现了撤退中的米雷斯丁军,并且已经秘密跟踪了他们半天了。可是这时候却发生了稍微有点让人扫兴的事情。 「真是的,原本还以为又能观赏你战斗的英姿了呢,看来是白走了一次了」 躲在树丛中说出这番话的,是里因诺鲁。 「嗯,虽说是敌人,但是他们撤退的相当井然有序呢」 阿雷斯也点头表示 同意。 这里接受到的任务就是观察米雷斯丁军的动向。 米雷斯丁军要是就这么撤退下去的话就最好了,可是如果他们继续停留在贝鲁塞鲁王国内的话,那么就袭击一下他们的补给部队,硬把他们赶出去才行了。 不过就算他们继续这样撤退下去也好,只要是打了败仗的不对,那么肯定会有落伍士兵出现。当中一部分是受了伤而不能继续行走的人,也有一部分是对没用的将领感到失望而离开部队。 变成这样的士兵大多数会变成跟山贼没有什么区别的落魄武者,使得周围的领民遭到硕大的被害,所以根据情况,也有可能需要解决他们才行。 可是现在躲在树丛中的米娅他们所看到的,是排着极其整齐并且迅速撤退着的米雷斯丁军。 米雷斯丁军虽说是吃了败仗,但实际上他们在遭受巨大打击之前就开始撤退了。所以说还有着余力去照顾那些受伤的人,不丢下一个伤者,整然有序的撤退着。 『为了达成目的而制定慎密的计划,如果失败了的话那么就在还有余力的情况下立刻撤退。能够做到这一点的将领就该被称为名将吧』 这时候回想起了杰雷德的这句话。 米娅虽然没有机会与米雷斯丁军的主将碰上一面,但从至今为止他们的动向来看,那个主将应该是可以被称为名将的人吧。 「怎么办?继续追踪他们吗?」 阿雷斯提出了疑问。 「说的是啊,如果米雷斯丁军真的就这样直接乖乖的撤退的话,那么我们继续追赶他们也只是浪费时间而已,这样的话还不如干脆转回头去迪雷妮亚军那里会比较好呢」 「再稍微观察一段时间是不是更好呢?」这时候插嘴进来的是阿雷斯的仆人雷昂。「米雷斯丁军目前还在我们国内,而且他们也知道再过不久贝鲁塞鲁军就会与迪雷妮亚军发生战斗,所以也不能说他们没有想要坐收渔翁之利的想法吧?」 「不,既然是能让部队撤退的这么整齐的大将,那么我觉得他不会那么愚蠢。你想一下,我军和北方的迪雷妮亚军的确都最害怕米雷斯丁军来取渔翁之利,不过反过来说,只要没有确认到米雷斯丁军撤退了,我军和迪雷妮亚军应该就都不会开战吧」 「……对,对哦,确实」 「这样的话最困扰的就是米雷斯丁军了。对于没有稳固的据点的米雷斯丁军来说,长时间留在这个国内是需要花费他们大量的金钱的,如果是个聪明的将领的话是不会选择这种方法的。而且想让我国疲乏的话,更应该直接回国才对」 还是老样子,阿雷斯在说起跟战斗有关的事情的时候真是能说会道啊。 不过他说的内容却是让人有点不舒服的。 「也就是说,米雷斯丁军如果想让这个国家更加混乱的话,那么只要立刻回去就是最好的方法了么?」 「是的,就是这么回事」 米雷斯丁军如果想做渔翁的话,那么就需要不知道多久的长期停留在这个国家里,并且最终还必须是在贝鲁塞鲁军跟迪雷妮亚军打过一次之后才行,而且到时候他们能不能赢也没法保证。可是他们就这样直接回国的话,那么就能在不花费太多的军费的情况下在这个国家洒下战争的火苗,只要能让这个国家的资源被消耗掉的话,那么以后就又能有新的侵略的机会。 里因诺鲁露出了苦笑。 「人世还真是无情呢,不管是做什么,都盼望着他人的不幸么」 米娅从心底赞成他的这个意见。 渔翁之利是各种战略中的基本,只要看了杰雷德至今为止的言行就能很清楚的明白这一点。时常盼望着他人的不幸——兵法家是一种多么罪孽深重的职业啊。 「总之状况已经清楚了」卢克开了口。「那么?我们该怎么做?米雷斯丁军就这么继续逃跑的话就最好了,那么我们去与迪雷妮亚军决战的方向么?」 「是啊……」 阿雷斯暂时陷入了沉默,但立刻就做出了决定抬起了头。 「好,就这样吧。我们就分开行动数日来观察他们吧。万一米雷斯丁军真的有留在这个国家里面的打算的话那么之后也会很麻烦。现在是小麦的收割期,如果米雷斯丁军真的想留在国内的话,肯定会派出士兵去收割小麦的」 「原来如此,也就是说分头去查看他们有没有采取这样的行动么」里因诺鲁说道。 「是的,反过来说,米雷斯丁军要是准备就这么撤退的话,他们是不会采取分散兵力这种做法的」 阿雷斯一如既往的慎重,这是很正常的一种推断。 然后,听到了这个提案的米娅的脑海中,一个思考浮现了上来。这正是实现她的某个目的的最好机会。 「这个想法我觉得不错,那么我和阿雷斯就这样继续追踪他们吧,如果他们真的攻击过来了,那么能阻止他们的也就只有我们两个了吧。那么,卢克你们就分头去周围调查,怎么样?」 听了她的话的卢克和里因诺鲁以及雷昂三个人互相看了一下。 「说的也是呢,这附近应该不会再发生战斗了吧,那样的话,早点结束对米雷斯丁军的追踪会比较好呢」 「这样的话我也赞成,我可不想浪费太多的时间」 里因诺鲁和雷昂立刻就点了点头,到底是看过阿雷斯战斗姿态的他们所会做出的回答。 「我也没关系,反正要做的事情也没有什么太大的区别」 最后回答的卢克,对米娅做了一个只有她才能明白其中含义的眨眼。 自己想要跟阿雷斯独处的计划就这么顺利的成功了,也许是他们察觉到了这里的想法吧。 就这样米娅他们采取了新的新打工。 阿雷斯和米娅就这样继续追踪米雷斯丁军,习惯了单独行动的里因诺鲁前往北方,雷昂和卢克两人前往西南方向去探查。然后就在这一天的晚上,米娅立刻就开始采取行动了。 2 ——为什么会没有意识到这样的事情呢…… 这是与同伴们分别之后所面临的第一个夜晚。 阿雷斯开始对自己在白天做下的决定感到后悔了。不,确实想想那是个不错的决定。跟米娅两个人继续追踪米雷斯丁军,派遣雷昂他们去探查米雷斯丁军的动向。 可是,有一个很单纯的事实她没有意识到。必然的,自己需要渡过跟米娅两人独处的夜晚这一点。 「我说,阿雷斯」 「嗯,嗯?怎么了?」 听到坐在篝火对面的米娅的提问,阿雷斯不知道为什么紧张了起来。 「虽然里因诺鲁一个人应该也没有什么问题,但是卢克和雷昂两个人的话要不要紧呢?」 「大、大概,没关系吧。卢克和雷昂的马术都还是可以的,只是逃跑的话应该是不会被米雷斯丁军追上的」 「嗯,那么就最好」 「…………」 「…………」 所有事情都是像这样的感觉。围着篝火吃好简单的一餐之后,已经没有可以做的事情了。虽然时而米娅会丢一些话过来,但是阿雷斯除了适当的做出一些回答之外,就继续不下去了。 这对阿雷斯来说是相当痛苦难熬的一段时光。 上次的旅途中并没有这样的问题。因为一直都在跟佣兵作战,所以到了晚上一定需要人去定时做夜间的看守,而剩下的人也不会有什么多余的力气来说话,为了恢复早上的疲劳都立刻就睡得死沉死沉。时而会互相说一些话,但这也是极其少有的。因为在这种不知道什么时候就会遭到佣兵袭击的状况下,谁都没有想要长时间聊天的心情。再加上那个时候虽说是在一起行动,但之前还是互相敌对的关系,所以就算有空闲的时间也不会去想要跟对方说些什么。 但是今天的目的只是移动而已,也没有什么疲劳的感觉,基本上也没有敌人袭击过来的危险,这样的话晚上要一起清醒着度过的时间就会变得异常的漫长。 而今现在的米娅也不是敌人了,是值得信赖的同伴。自己跟她一起经历了好几场战斗,之前在跟巨人的战斗中拯救了已经做好死的觉悟的也是米娅。 现在,能跟这个米娅好好畅谈的机会出现了。可是到底该说什么才好呢,阿雷斯不知道,所以才会变成这种无法对话的状态。也许是因为这个关系吧,米娅的表情看上去似乎也有点不快的样子。 之后,米娅再次开口了。 「对了,反正谁都看不到了,干脆我就把这个给脱了吧」 「…………!?」 阿雷斯立刻怀疑起了自己的耳朵,脱掉?是指什么……? 但是,米娅脱掉的东西,并不是衣服——而是头发。 阿雷斯第一次才知道,原来她的那一头长发是假发。在假发的下面所露出来的,是在夜空中也散发着闪亮的蓝色的头发。 估计是注意到了阿雷斯死死盯着这里看的眼神的关系吧,米娅露出了坏笑。 「怎么了,阿雷斯?看的这么认真。难道你以为我是要准备脱衣服什么的吗?」 「你、你说什么蠢话!身为骑士的我怎么会有这种想法!」 「不要狡辩了啦,难道你以为我还不知道你有时候会偷看我的胸口吗?」 这句话对阿雷斯造成的打击要比任何武器都要强烈。 阿雷斯无法否定他的话,确实,自己的视线有到过她的胸口这里,这是事实。 但是,作为一个骑士是不可能承认这种事情的。 「这、这只是偶尔看到了而已,是偶然!现在我会这样看着你,只是对你原来是带着假发这一点感到吃惊而已!」 阿雷斯知道现在不作出一些抗议是不行的,所以姑且先这么回答了。 米娅却则露出了一副意外的表情。 「啊啦?你不知道吗?」 「嗯,是啊」 「对哦,这么说起来,你的确不知道我会打扮成现在这个样子的原因哦」 虽然米娅只是随口说说而已,但是这些已经足够勾起阿雷斯的兴趣了。所以阿雷斯就顺便转换了这个话题。 「我说」 「诶?什么?」 「……你为什么会变成 风之女武神 ?」 米娅露出的表情可以说是略微的一丝微笑。 「怎么,阿雷斯,你对我感兴趣吗?」 「不、不是这个意思。我只是想更了解一下一同作战的同伴罢了」 而且,这样用来的打发漫长的夜晚也是最好的。 「……啊,对了」 米娅的表情突然一转,刚才脸上的微笑一下子就消失了,带着失去了兴奋感的眼神,把脸转了过去。 阿雷斯立刻就因为觉得自己是不是说了什么不该说的话而感到不安,可是也不知道该怎么办才好,最后只得陷入沉默。 最后不知道是因为放弃了呢,还是坚持不住的关系,米娅先开口了。 「杰雷德作为反乱军揭竿而起的事情,你知道的吧?」 「多多少少知道一些,听说在波鲁涅利亚领的……叫什么名字来着,某个被支配的郡那里吧」 「是米卡鲁迪郡,那里是杰雷德出生的故乡哦。那么,我加入反乱军的时候的事情你也听说了吗?」 「嗯,姑且是」 为了从领主的暴政下保护自己和他人,在一个渺小的郡中发动叛变的杰雷德。他击退了执政代行官的部队,有时候又逃跑到别的村庄,游说周围村庄的人们逐渐增大了反乱军的势力。 但是,敌人是强大的侯爵,最后为了镇压杰雷德他们的反乱,执政官派出了镇压部队。杰雷德虽然十分的善战,但是在实力上有着压倒性优势的镇压部队面前,他也被慢慢逼入绝境。但是,正是在这个时候突然出现的米娅的力量,使得他们脱离了险境。 「你在刚加入杰雷德时候并没有自称是 风之女武神 吧?」 「是的,这之后因为一些事情,使得我才变成现在这个样子的」 说完,米娅抓住了自己的衣服。 阿雷斯立刻就转过了头去,因为原本露出度就有点高的米娅,一下子露出度变的更高了。 「我、我只是有点好奇,这其中到底是发生了些什么呢」 「好,那我就告诉你吧,不过说来话长哦,但是现在的我们应该还是有这点时间的呢」 就这样阿雷斯他们的时间飞回到了现在的一年前,王国历八十二年第七个月的时候。 ·TO 下一章 ·TO TOP
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第2部 『オペレーション ブラック・サンダー』 プロローグ 雨が降っている。 長く降り続く雨が周囲に生い茂る熱帯雨林に精気を与え、森が濃密な大気を吐き出している。その森に挟まれ雨にけぶる街道上には、だらだらと続く車列が北を目指していた。 装軌車両に繰り返し耕された街道は、たっぷりと水分を含んだ泥濘と化し、轍にはまり込んだ一台のトラックが無為に車輪を空転させていた。 跳ね上げる泥が後続車を汚す。だが、車列全てがすでに泥に塗れており、さらに泥を浴びたところで大した変わりはない。それは車両だけの話ではなく、車両を操る乗員も、横を歩く普通科隊員も、頭のてっぺんからつま先まで乾いているところなど一つも存在しなかった。 雨水がポンチョの隙間から下着まで浸透し、湿度100パーセントの大気は毛穴一つ一つを埋める。一呼吸一呼吸が息苦しい。水を吸ってずっしりと重い装具を背負った隊員たちは、すでに悪態をつく気力もなく、濁った目をぎらつかせながら、歩いている。 車列の中程を進む90式戦車の車長席で、戦車中隊長柘植甚八一等陸尉はかすかに喚声を聞いたような気がした。 彼の中隊長車も他のものと同様に、車体は泥にまみれ、予備部品や食料、戦利品のがらくた、ジップロックに入れられた魔除けの護符などがごてごてと括り付けられた砲塔は、じっとりと雨に濡れている。 以前は整備の良さが一目で見て取れたものだったが、今では見る影もない。車長席で気怠げに双眼鏡を構える柘植の態度に合わせたかのように、弛緩した雰囲気を醸し出していた。 「04、01。何があった?」柘植が険のある声で尋ねた。わずかな間があり、先頭車から不機嫌な声が帰ってくる。 『前方に糞野郎共。ゴミカスを襲ってます』 柘植は通信規律の欠片もない返答に顔を歪め、舌打ちした。車列前方で帝國軍か野盗が(あるいはその両方が)避難民を襲撃しているらしい。無線に早口で告げる。 「チッ、各車路外に出て全周警戒。04はそいつらを殲滅しろ」 『了解──超面倒臭えなぁ──』 「そういう文句は無線を切ってから言え」 言葉とは裏腹に命令への反応は早かった。90式戦車の群れは、掘り返された街道を左右に逸れ、熱帯林の奥に砲を向けた。車長が12.7ミリ重機関銃に初弾を叩き込む。 中隊は今までに3両を失っていた。しょせん剣と弓矢の野蛮人だと敵を侮った連中は、仲良く死体袋に収まって日本へと帰っていった。敵はあらゆる手段を用いた。この世界では交戦規定も戦時国際法も鼻紙程度の価値すら持たないのだ。 生き残った隊員たちは経験から学び、果てしなく続くゲリラ戦を戦っていた。 ほどなく前方から甲高い発砲音と、ドラムを乱打するような射撃音が聞こえてきた。それは数分ののち途絶え、すぐに報告があった。 『掃除完了。糞野郎共はミンチになりました』 他の戦車からも、異状無しの報告があがる。4号車の戦車長は心底面倒臭そうに、報告を続けた。 『それで、ゴミカス連中が道端で小便漏らしてますが、どうします?』 避難民がいくらか生き残っているらしい。柘植は平板な声色で応えた。まったく感情のこもらない声だった。 「04、01。俺の聞き間違いか? 残念なことに避難民は帝國軍に虐殺され、生き残りはいない──そうじゃなかったか?」 『……ああ、そうでしたね』 発砲音。かすかに悲鳴が聞こえた気がする。気のせいだろう。 『01、04。帝國軍部隊を殲滅。我に被害なし。襲撃されていた現地避難民に生存者なし』 「01了解。全車路上に戻れ。出発する」 あっさりと行われた虐殺行為に対し、柘植の部下も共に行動する普通科中隊長も、誰一人として特別な反応を見せなかった。90式戦車が巨体を街道に戻し、車列は再度前進を開始した。 数分後、北へ向かう車列と普通科隊員たちをかき分けるように、軍馬に跨がった一人の騎士が柘植の90式戦車に駆け寄ってきた。細い肩を精一杯怒らせ、憤怒を全身で表現している。その騎士は、戦車の横に付くと早口でまくしたてた。 「なんということを! 貴公らは敵と民の区別もつかぬのか! その眼は節穴か!」 『彼女』は、柘植の中隊に付けられた南瞑同盟会議軍の連絡士官だった。リユセ樹冠国のエルフである彼女は、雨に打たれ泥にまみれてもなおその美しさを失っていない。 しかし、よく見るとその切れ長の瞳の下にはどす黒いくまが張付いており、本来白磁のようであるはずの肌には、不穏な赤い痣がいくつもつけられていた。そして、着衣に微妙な乱れがある。 「ふん、あんたか。我々は敵を殲滅しただけだ。不甲斐ないあんたらの代わりにな」柘植はさして興味の無さそうな表情のまま言った。 「貴公らの国では、無辜の民草をことごとく殺すことが名誉ある戦とされているのか! 恥を知るがよい!」 騎士は収まらない。目に涙を浮かべ、自衛隊の非道を糾弾し続けた。柘植はそんな彼女を見下ろし、氷のような口調で告げた。 「あまり余計なことに口を挟むな。そんなに話したいことがあるなら今夜も『懇親会』に参加するか?」 柘植の言葉に騎士は小さく悲鳴を上げ、身を固くした。顔色が真っ青に染まっている。彼女は左右を見た。周囲でやり取りを眺めていた普通科隊員たちはそろって下卑たニヤニヤ笑いを浮かべている。 普通科の連中が彼女を招いて開く『懇親会』とやらで何が行われているのか柘植は気付いていた。部下の何人かが参加していることも把握している。その上で彼は黙認していた。良くは思っていないが、それを止める気分にもならない。 砲手の根来二曹は、やり取りに興味を示さず、無言で周囲を警戒している。 操縦手の中村三曹は、丸眼鏡の下でいやらしい笑みを浮かべている。前任の村上三曹は二週間前に避難民を装った敵兵に殺され、頭部だけが帰国していた。 孤立無援を悟った彼女は、力無くうつむいた。「ワハーシュニヴァ……」つぶやいた言葉が耳に入る。けだもの、そういった意味だったはずだ。柘植はたしかにその通りだと思った。 長く延びた補給線。非戦闘員を巻き込んだゲリラ戦が、昼夜を問わず繰り返されている。自衛隊マルノーヴ派遣部隊は、早期の敵殲滅に失敗した結果、際限ない消耗戦に引きずり込まれていたのだった。 やがて、戦闘の跡が見えてきた。黒々と抉れた草原のあちこちに、無惨な死骸が転がっている。先頭の連中はよほど丁寧に銃砲弾を叩き込んだらしい。 距離が詰まるにつれ細部が見えてきた。苦悶の表情を浮かべて事切れた人々。見覚えのある顔があった。 『赤絨毯亭』の寡黙な亭主がいる。給仕のアミィが泥まみれの欠片と化している。その周囲には客として柘植と笑い合ったことのある顔が、骸となって恨めしそうに柘植を見ていた。 そして、色鮮やかな軍装の死骸があった。柘植はその死骸をよく知っていた。パラン・カラヤ衛士団が折り重なるように倒れている。 「そんな、馬鹿な……」 柘植は己が狂ったと思った。ケーオワラート、なぜここにいる? あんたたちはもうとっくに死んでいるはずじゃないか! どうしてもう一度殺されに戻ってきたんだ? 「──敵襲ッ!」轟音が辺りを包んだ。 中隊戦闘団の車列を、熱帯林スレスレを這うように飛来した有翼蛇の編隊が襲った。蛇たちは車列を視認するやいなや、火焔弾をめくら撃ちする。 その多くは付近の地面を炙っただけに終わったが、全てがそうでは無かった。 先頭近くのトラックが直撃弾を受けて炎上する。荷台には普通科隊員たちが乗っていた。彼らは全身にゲル状の焔を浴びて火だるまになった。 「クソッ、高射特科の連中は何をしていやがる!」 「散開しろ! 散開!」 有翼蛇はあっという間に樹木線の向こうへ飛び去った。中隊が慌てて対空射撃を開始する。柘植も空を見上げ、敵影を探した。 第二撃は、その瞬間を狙って行われた。 至近に無数の光弾が着弾し、直撃を受けた高機動車が鉄くずに変わった。左右の熱帯林から唸りをあげて矢が降り注ぐ。隊員がハリネズミのような姿になって死んだ。いつの間にか中隊は包囲されていた。 長く延びた車列の左右から加えられた攻撃は少なくとも大隊規模で、複数の魔導士と弓兵を含んでいた。中隊は動揺し混乱した。 いかな自衛隊であっても全てを装甲で覆うことはできない。ソフトスキン車両と生身の隊員に被害が続出した。 さらに有翼蛇の第二撃。90式戦車が直撃を食らい炎上した。車長席で車長が松明のように燃え上がっている。 『周り中敵だらけだ! 指示を!』 「中隊長、どうします? このままじゃあやられちまう」 『01、05。被弾した。履帯をやられた! 畜生』 「俺たちは嵌められたぞ」 うるさい。少し静かにしてくれ。考えがまとまらない。 「中隊長! 後退しましょう」 『包囲された。包囲されたぞ。撃て、撃つんだ』 「中隊長! 助けてください中隊長──」 「──長、中隊長!」 おかしい。太陽が出ている。確か雨が降っていたはずなのに──。 まぶたの向こうに明るい光を感じ、柘植の意識はゆっくりと覚醒し始めた。自分を呼ぶ声。村上三曹の声だ。 「……む、俺は……寝ていたのか?」 下着がぐっしょりと濡れていた。操縦席から村上三曹が呆れ顔でこちらを見上げている。 「うなされてましたよ。頼みますよ、これから出発だっていうのに」 「そう、か。夢か……村上三曹、良かった……」 「はぁ? 昨日も夜中まで作戦会議だったみたいですし、無理はしないでくださいよ」 「すまん」 まあ、いいです。次、俺の居眠りを一回見逃してくれれば──村上三曹はそう笑って前を向いた。意識が覚醒する。 気が付けば周囲は様々な車両のアイドリング音と、命令伝達の声、復唱、軍靴の響き、そういった音で満ちていた。 そうだ。俺たちは── ブンガ・マス・リマ北方5キロ 同盟軍宿営地 2013年 2月14日 07時50分 商都の北、マワーレド河畔の草原は、無数の人馬で埋まっていた。 カラフルで雑多な軍装の兵たちは、南瞑同盟会議軍である。西方より来援したバールクーク王国遠征軍を中心に、再編成されたブンガ・マス・リマ市自警軍及び周辺諸勢力部隊合わせて約20000名余。 これに従軍商人のキャラバンや荷役軍夫が加わる。 一方、草原に溶け込むような異装と、血の通わぬ鋼の軍馬を連ねるのは、〈門〉を通りアラム・マルノーヴに派遣された日本国陸上自衛隊マルノーヴ派遣群である。 先遣隊の損害を受け、陸幕は急遽部隊を増派した。東北方面隊第9師団第5普通科連隊を基幹部隊として、航空兵力の不足と火力を補うため第9高射特科大隊、第9特科連隊の一部、さらに第1戦車群から第301戦車中隊を投入、第5連隊戦闘団を編成した。 隊員約3000名、90式戦車14両、その他榴弾砲、対空誘導弾、装甲車、トラック等が出撃を待ってひしめき合っている。先遣隊と異なるのは、彼らが戦闘を前提とした完全編成の連隊戦闘団であるということだ。 彼らは、南瞑同盟会議との協同による諸都市奪還作戦『ブラック』に投入され、〈帝國〉軍と死闘を繰り広げる運命にあった。 俺たちは缶切り役だ。敵主力を撃破して南瞑同盟会議軍の前進を助ける。自衛隊の援護が無ければ、〈帝國〉軍に対抗することは難しい。引く手あまただ。いずれ中隊は分散配備されるだろう。 しくじればあの夢の通りだ。ふざけるな。そんなことにさせてたまるか。 「気を付けェ!」 午前8時。選抜されたラッパ隊がラッパ譜君が代を吹奏する中、日本国国旗が掲揚された。抜けるような青空を背景に、日の丸の白と赤が鮮やかにはためく。自衛隊員が姿勢を正す様子を、マルノーヴの民たちが興味深げに眺めている。 一斉に無線が鳴った。 『派遣群司令部より隷下各部隊宛。0800時ヲ以テ作戦名「ぶらっく」ヲ発令スル。各部隊ハ事前計画ニ従イ集結点ヘ部隊ヲ推進セヨ』 軍楽隊が派手に楽器をかき鳴らす中、バールクーク王国遠征軍がゆるゆると動き始めた。軍勢は長蛇の列を為して北へ向かう。 「中隊、出発用意」 柘植は、砲身を連ねた14両の90式戦車を一瞥し、口を一文字に引き締めた。
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【名前】 ポーダマン(赤) 【読み方】 ぽーだまん(あか) 【登場作品】 快盗戦隊ルパンレンジャーVS警察戦隊パトレンジャー 【初登場話】 #50「永遠にアデュー」 【所属】 異世界犯罪者集団ギャングラー 【役職】 戦闘員 【モチーフ】 不明 【名前の由来】 鉄砲玉(てっぽうだま) 【詳細】 ポーダマンの赤い個体。 巨大化したポーダマンに混じって登場している以外、確認できるシーンはなく、これと言って強化されていたようにも見えない謎の存在。 【余談】 スーツは改造ポーダマン(赤)の頭部を金庫から通常のポーダマンのものへとすげ替えた後、身体に合わせて頭部を塗り替えたものと思われる。
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第五話 ああ、麻衣はなんて可愛いんだろう? 一人で悦に入ってると、携帯の向こうから「ママに代わって? 」 という妻の声が聞こえてきた。 「あなた?」 ハッと我にかえる自分。 「あ、ああ、何だい、百合子?」 「麻衣の言ったお祖母ちゃんの事は気にしないで・・・。 子供のいう事だし・・・。」 「ああ、大丈夫だよ、気になんかしちゃいないさ。」 「それよりあなた。」 「ん? 何だい?」 実を言うと、妻はこの一瞬の間が怖い。いつかお見せしよう。 「無理しちゃ駄目よ、危ないと思ったら、・・・手を引いてね。」 「・・・ありがとう百合子、決して危ないことはしないさ・・・!」 今日、二回目の「ありがとう」が自然に口に出た。そういや、前はいつだったかな? 私はおやすみを告げて、携帯を切った。 「よーし! やるぞーッ!」 我ながら現金である。 カラ元気だけではない。電話してるうちにふとした事に気づいたのだ。 被害者の一家は熱心なクリスチャンだったはず。麻衣の言ってた「じゅーじか」で思い出した。 彼らは毎週日曜には、親子三人で教会に通っていたとも聞いている。 実際のところ、そこも引っかかっていた。(神社で自殺するものかな?) 私は、駄目もとで、車を教会まで走らせた。場所はある程度把握してたが、まだ取材の対象にしていなかった。 うまく行けば教会関係者に、事件の感想ぐらいは取れると思う。 教会の敷地には何台か車が止まっていた。そのうちの一台に目が留まった。 あの家族の車だ! ここに来ていたのか? 私は車を敷地に停め、教会の正面の大きな扉を開けた。 「すいませーん、夜分失礼しまーす」 しばらくすると、神父と思しき白髪交じりの年配の男性が現れた。 「・・・どちら様ですか・・・?」 とりあえず記者という身分は隠して・・・ 「○○さんがこちらにいらっしゃると、伺ったんですが・・・」 神父はあからさまに迷惑そうな顔をして 「もうお帰りになりましたよ。」 と、ぶっきらぼうに答えた。ごまかされるものか。 「ですが、車は表に停まったままですよ?」 突然、神父の表情に変化が生じる。 何か良くないことが起こったのだろうか・・・? ⇒
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教会のすぐ先の街道沿いに大き目の橋があり、そこで、夫婦の靴が揃えて並べられていたのである。 そして・・・事件は、一家全員死亡という最悪の結果を迎えてしまった。 第七話 日付が変わってしまった。疲れた・・・、まさか自分が警察に聴取されるとは・・・。 反対に、こっちが何か聞き出してやろうと思ったが、さすがにそうは甘くない。 ただ、担当の若い刑事は 「証拠さえあれば(例え警察OBでも)動く」 とは、言っていた。 信用してよいのだろうか? 帰り際、神父の姿が見えた。話しかけるタイミングは今しかない。 あの、気になる記述のことを聞いてみたかったのだ。 遺書にあったメリーという人形とは何の事なのか? 寒さで白い息を吐きながら、神父が車に戻る前に声を掛けることができた。 「聴取、終わったんですか? ご苦労様です。」 神父は複雑な表情をしたが、礼儀正しく頭を下げた。 「・・・先ほどは見ず知らずの方に、手伝って頂いてすみません、 あの親子が祝福された土地に辿り着けるといいのですけれど・・・」 私は、一呼吸置いてから、 「・・・あの親子の事を、詳しくお聞きしたいのですが?」 と尋ねたが、返答は冷たかった・・・。 「マスコミの方には何も申し上げることは無い、と言った筈です。」 「では・・・ 遺書の・・・人形の事を教えてくれませんか? メリー とは?」 初老の神父はこちらを見上げた。 「何の事か、私にも分りませんな・・・。確かに遺書にありましたが・・・。」 神父は自分の車に乗ろうとしている。全く立ち入るスキがない。でも、負けるもんか。 「い、いや、人形の件は、マスコミというより、 子供の父親として・・・、夕方、ウチの子供が変なことを・・・ 言って・・・あ、アレ、何を言ってるんだろ? 」 我ながら何を言っているのだ? いくら神父を引き止めるセリフが思い浮かばないと言ったって・・・。 だが、意外にも神父は興味を持ったようだ。 「お子さんが・・・なにか?」 神父の動きが止まった。 「え? ・・・ええ! 夕方、電話したら、4つになる娘が、 『メリーさん』という人形に私が会うと、 死んだ祖母に教えてもらったって言うんですよ。」 もういいや。言っちゃえ。 ⇒
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第一話 シュバッ! シュバッ! 「こっち、向いて!」 「被害者の女性達に何かおっしゃりたいことは!?」 カメラのフラッシュと質問の嵐・・・。 一人の男性が、報道陣に囲まれながら警察に連行されていた。 森村剛志21才・・・。 親が与えたマンションに一人暮らし。 そしてその部屋に3人もの女性を同時に監禁、 彼女達を奴隷のように扱い、暴虐の限りを尽くしていた。 彼女達全員に誓約書を書かせた男の言い分は、 「合意の上での共同生活、法には触れない 」 被害者の一人が男の不在時に、トイレの窓から助けを呼び、事件が発覚。 ここに逮捕となった。 「・・・ええ、編集長! すぐに追加記事を送ります! ・・・そうなんですよ、 例の監禁事件の犯人の祖父が、どうも地元の警察署の元署長らしいんですよ! ハイ、苗字は違います、でも、元々地元の名士らしく、今は県議会議員とか・・・、 ええ、そこのところ、家庭環境とか生い立ちとか調べますんで、早急に!」 ふ〜、ここのところ、こんな事件ばっかりだ、 ・・・ああ、え〜と、私はある出版社の専属ライターをしている・・・ 伊藤・・・とでも覚えていてほしい。 出勤時間は拘束されず、一つの記事を担当しては、契約したギャラをもらっている。 今回も、こんな寒い田舎にまで飛んで、事件を追っているというわけだ。 ・・・まったく仕事の性質上、外にいることも多いんで手足がかじかむ。 屋内に戻ってキーボード打とうにも、中々思い通りに指先が動かない。 ・・・と、かつてグチをこぼしていたら、妻の百合子が毛糸の赤い手袋を編んでくれていた。 滅多にそんなマネをしてくれる妻ではなかったので、とても感激だ。 ・・・赤いのは恥ずかしいけれど・・・。 あ、申し訳ない、どうでもいい話だったね。 で、編集長との電話の後、外回り、地元の聞き込み、 懇意にしている新聞社での情報収集、それなりの裏づけと記事の大枠がまとまったので、その地元新聞社の小部屋を借りて、原稿を打っていたんだ。 「おい! 大変だ!」 その時とんでもないニュースが、私の耳に飛び込んできた・・・。 「例の監禁事件の被害者の子が、・・・死体で見つかった!!」 ⇒